JIS規格でのカタカナ長音表記について調べてみた

symfonyのドキュメント翻訳の校正を少しずつ手伝っていますが、そのプロジェクトの中で「カタカナの表記はJISに合わせようか」というような話がありました。
お恥ずかしながら、これまでJISの表記規格を読んだことがありませんでしたので、この機会に調べてみました。



まず、一般的に「JISでのカタカナ表記」と言う場合、長音をつけない表記のことを指すようです。

表G3
a) その言葉が3音以上の場合には、語尾に長音符号を付けない。
b) その言葉が2音以下の場合には、語尾に長音符号を付ける。
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ただし、平成3年に内閣より出された告示から、少し状況が変わってきたようです。

3 長音は,原則として長音符号「ー」を用いて書く。
注3	英語の語末の‐er,‐or,‐arなどに当たるものは,
原則としてア列の長音とし長音符号「ー」を用いて書き表す。
ただし,慣用に応じて「ー」を省くことができる。


これを受けて、JIS 側でも長音を付けたものを認める方向になったようで、JIS Z 8301:2005 から、該当部分が以下のような微妙な文面に変わっています。

G.6.2.2 英語の語尾に対応する長音符号の扱い
 英語の語尾に対応する長音符号の扱いは、通常、次による。
 なお、英語の語末の -er、-or、-ar などは、ア列の長音とし、
 長音符号を用いて表すものに当たるとみなす。

a) 専門分野の用語の表記による。
 注記 学術用語においては、言語(特に英語)のつづりの終わり
 の -er、-or、-ar などを仮名書きにする場合に、長音符号を付け
 るか、付けないかについて厳格に一定にすることは困難であると
 認め、各用語集の表記をそれぞれの専門分野の標準とするが、長
 音符号は、用いても略しても謝りでないことにしている。

b) 表G3(これまでのもの)

※JISCのウェブサイトのJIS検索から、Z8301を検索すると出てきます。


また、JIS以外に「テクニカルコミュニケーター協会」から出されたガイドラインでも、内閣告示に沿った長音を付けるスタイルになっています。